ぷらり札幌

札幌のすすきの、琴似、円山を中心に、おいしいお酒とお食事をいただけるお店をご紹介
(予算の目安はお腹が空いた状態でお店に入ってお酒を3杯くらい飲んだとき)


2005/09/26

すすきの - トラットリア・ズッカ

トラットリアズッカ / 札幌市中央区南2条西7丁目 M'sスペース 2F TEL: 011-281-8666

随分、あいだが空いてしまいました。
身内が病気になったことで、何だか食べ物屋さんの話を書く気力がなくなってしまい…

それでも、日記を書こうとしても3日どころか1日しか書けない自分が、30回も書いたという貴重な場所なので、残していきたいところです。

少し前は私の誕生日で、玉響(札幌市中央区北5条西11丁目 TEL: 011-272-0002)に連れて行ってもらおうと思っていたのですが、結局、「ズッカにおまかせでコースを頼んだら何が出てくるんだろう」という魅力に勝てず、ズッカをリクエストしました。

結果は、本当に行ってよかった!
ただ、実は日数が経ってしまって私のだだ漏れな記憶力ではどのような料理だったか、恐ろしいほどにおぼえていません。


  • 突き出し: オリーブのフリット
  • お手製フォカッチャ
  • 前菜の盛り合わせ
    アジのマリネ、生ハムと何か、それともう一品
  • スープ
  • ショートパスタ(コンキリエ)
  • リゾット
  • 牛肉と骨髄の煮込み
  • 箸休め: シャーベット
  • デザート盛り合わせ
お酒は、3人でイタリアのスパークリングワインと赤ワインを各1本。

前菜からデザートまで、おいしく楽しくいただけたのですが、牛肉の煮込みが一番感動しました。牛肉と一緒に太い骨を輪切りにして骨髄が入ったまま煮込んだ料理で、北イタリアの料理とのこと。話に聞いたことはあっても、食べるのは初めてです。添えられたカニ用フォークで骨髄をすくいながら食べるのですが、とろーっとした食感でいかにも肌に効きそう。肉ももちろん、柔らかーーく煮込まれ、ナイフがいらないくらいです。ワインとの相性が最高。

オリーブのフリットをのぞき、レギュラーメニューには載っていない料理ばかりで、特別感を満喫できました。気軽に行けるのが大きな魅力のズッカではありますが、ときにはこうしてシェフの組み立てたコースでいただきたいと思いました。

今回はおごりだったので、料金の報告はなしです。

2005/09/15

桑園 - まるいし

まるいし 札幌市中央区北6条西13丁目(西向きのマンション1階)
分類: ラーメン

元々、このブログは焼き肉屋「しんざん」の閉店がショックで始めたものです。
深みのある辛さと野菜が甘さが忘れがたいスープカレーの「リンタコッタ」、トッピングとお茶を選べて出汁もおいしかったお茶漬け専門店の「次郎道」、初乳を使った本当の牛乳豆腐が食べられるなど十勝の素材を使った居酒屋「おしょっぷ」、串揚げがおいしかった「山小屋」。それぞれ、さまざまな理由で閉店されました。

どんなに好きで通っていたお店でも、少しずつ記憶が薄れていきます。日々の生活と新たに入ってくる大量の情報に追われて、何もかもが押し流されてしまいそうな危機感を覚えました。何かの形で記録しておかなければ…

今回、紹介する「まるいし」さんは、さっぱり系醤油ラーメンがおいしいお店です。実は休業されて数か月経っているのですが、復帰を祈ってここに載せておきます。

ご主人が自分の食べたい味のラーメンがないと作ったお店で、化学調味料を使わないのはもちろん、スープに使う素材にこだわりにこだわった絶品のラーメンがいただけます。薄味なので、出汁の素性の良さが実に正直に出ています。初めて食べたとき、その「ごまかしのなさ」に感動しました。また、さっぱり系のラーメンにありがちな物足りなさはありません。ラーメンのスープはあまり飲まないようにしているのですが、ここのスープは残したことがありません。しかもラーメン1杯が550円という良心的な価格。

ご主人の優しそうな外見からは想像しづらいのですが、ラーメンにかける情熱は一通りではなく、スープの味に満足がいかないときはお店を開かないこともあるそうです。

飲食店が建ち並ぶ場所ではなく、人通りの少ない通りにあるマンションを「ここ」と決め、本来は1階に飲食店のテナントを入れる想定をしていなかったところを匂いが住宅棟に流れないようにするなどの改装を入れ、テーブルや椅子などの調度品もいかにもラーメン屋さん然としたものにしない方針で選ぶなど、ラーメン同様いろいろなこだわりと情熱を注いで開いたお店とのこと。通常よりも開店費用がかなりかかったそうです。このような話はご主人自身がされた訳ではなく、たまたま飲み屋さんで同席した方がご主人の知人で、その方から開店間もない時期に聞いた話です。「ぜひ行くべき」と勧められて、ここのラーメンを食べに行ったのですが、ひと口食べて、どれほどその方との出会いに感謝したことか。

今もお店は開いていませんが、郵便物はこまめに掃除されています。きっときっといつか再開されると信じています。もう一度、あのラーメンが食べられることを切に願っています。

2005/09/13

円山 - あれこれ屋

酒菜 あれこれ屋 / 南1西22 ケイキ円山 1F(裏参道側ともう一方に出入り口があるマンション) TEL: 011-632-1024
分類: 居酒屋

昨日はあれこれ屋さんへ。ちょっとご無沙汰してしまっていたので、「そろそろ行きたい」と思っていたところでした。

席に着くと、ご主人が「昨日、衝撃的なことがありまして…」と語り出します。何があったのかと思ったら、日曜日の閉店後に泥棒が入ったのだそうです。売上金などは置いていないのですが、盲導犬の募金箱、お客様の忘れ物である小銭入れ、ご主人愛用のギターが盗られてしまったそうです。お店をちょっとのぞけば、金目のものはなさそうなのがわかるはずなのに。わずかなお金のためにそんなことをする人がいるのだな、と怒りがふつふつと。

上がったアドレナリンにまかせて、少しでも貢献しようといつもの倍くらい食べ飲みしてしまいました。以下、特においしかったものを書き残しておきます。


  • つきだし: 揚げに鶏のすり身とみじん切りの野菜を詰めて煮たもの
    あれこれ屋さんは本当につきだしがおいしい。特に、一見地味に見えるような煮物が、薄味なのに出汁がしみていて、一日の疲れが取れるようです。今日のつきだしは、揚げがたっぷりと汁を吸ってうまーい。
  • さんまのスモーク
    軽くスモークしたさんまを半冷凍し、出汁で合わせたもの。
    さんまのスモークは、ご主人の知人であるスモーク名人の方が作成したそうです。生の部分を残す絶妙なスモーク加減。たたきのスモーク版といった風情です。
  • さけの白子
    焼き目をつけた白子、大根おろし、ゆず、出汁。
    ゆずが効き過ぎず、ほんのりしていてうまーい。ビバ白子!
  • さんまの巻き寿司 (本日の一番)
    焼きさんまの骨をていねいにとり、中にショウガなどを入れ、巻き寿司にしたもの。この寿司のいいところは、わたを生かしていること。
    頭方向としっぽ方向では違う味が楽しめるのです。あぁ、苦うまい。

    この季節の名物メニューで、お盆明けから9月20日までしか出していないそうです。あれこれ屋さんで初めての秋を迎える私はもちろん食べたことはなく、しかも久しぶりに来たので、もうさんまの巻き寿司の季節が終わってしまうではありませんか。残りわずかな日々をせっせと通うことにします。
  • 伊太利亜麺
    伊太利亜麺は、そのときどきによって具材が変わります。今日はクリーム系でお願いしたところ、ボタンエビのカラで出汁を取り、ボタンエビの身とミソをたっぷりと使った、無農薬のズッキーニや玉ねぎが甘ーい、スパゲティが出てきました。なんて贅沢な…
    すでにおなかいっぱいなのに、香りだけで食欲がわき、あっという間に食べてしまいました。
その他、細々といろいろいただき、お酒も水のように飲んでしまいました。何度「自ビールいただきます」と言ったことか…
いつもは2人で5,000-7,000円くらいなのですが、今日は初めての9,000円台。
うーん、さすがにお腹が苦しい…。同じ貢献でも、1度で済まさずに数回に分けた方が体にもいいよなぁ。

※お客様が自分でサーバーからつぐビールのこと。通常のビールより50円安い。ご主人1人のお店なので、手が空かないこともあるため考案されたメニュー。

2005/09/08

円山 - サボ

SABOT (サボ) / 札幌市中央区南1条西25丁目 TEL: 011-613-2425
分類: イタリアン

昨日は、仕事が一段落ついたこともあり、どこかに出かけたい気分に。でも21時半を回っているので行けるお店は絞られてきます。イタリアンが食べたいような気がする…ということで行ったのはサボ。

遅い時間でもいつも満席に近いので、電話をかけて行きました。お店に着くと1人もお客様がいない! 台風のさなかとは言え、こんなことは初めてです。お大尽気分で「ちみちみ、メニューの上から全部持ってきてくれたまえ」と言いたいところをぐっと抑え、メニューを選びました。

メニューの名前はうろ覚えです。いずれも季節のお勧めメニューです。

  • アジとぶどうのマリネ
    生のお魚 + ぶどう という組み合わせの前菜がサボのメニューにはよく載っています。これがおいしくておいしくて、メニューにあれば必ずといってよいほど頼んでしまいます。ぶどうが大粒で噛むとじゅっと果汁が出て、魚のうま味と合います。ぶどうが仲立ちになるせいか、生魚でもワインとも相性がよいのです。
  • 穴子と野菜のサラダ仕立て
    かりっと香ばしく焼かれた穴子を、ルッコラ、チコリ、カブ、紫キャベツなどさまざまな野菜がいろどっています。苦みが苦手なチコリや紫キャベツも、穴子と一緒だと別のおいしさがあります。穴子の香ばしさとルッコラのゴマのような香りを味わっていると、今晩、ここに来てよかったな…としみじみ思いました。
  • 鶏とポルチーニのパッパルデッレ
    サボは手打ちパスタが売りのお店ですが、遅い時間に行くと手打ちパスタはないことがよくあります。今日は当然ながら選び放題です。

    パッパルデッレは幅広の平麺で、濃厚なソースとよく合います。今日のメニューでは、ポルチーニの出汁が麺に練り込んであるのかというくらいソースが麺にしみています。ビバきのこ!
  • 詰め物をしたイタリア産白うさぎのロースト
    うさぎはポールズ・カフェでシチューを食べたことしかないので、頼んでみたメニューです。

    もも肉にキャベツとさやインゲン(自信なし)を詰めてローストした料理で、味付けはシンプルで飽きが来ません。お肉は味の濃い鶏肉という感じ。鶏肉よりもしっかりした歯ごたえです。

    途中でワインがなくなってしまい、グラスワインにするかどうか迷ってビールに切り替えたのですが、ワインにもビールにも合いました。

がらがらだったお店も、前菜が来るころに次のお客様が来て、パッパルデッレが来るころにはほぼ満席になっていました。お大尽の時間は短くはありましたが「余は満足じゃ」でしたよ。

2人で行って赤ワイン1本(4,000円台)とビール2杯を飲み、お会計は10,706円でした。

予算: 4,000円-

2005/09/05

琴似 - しあわせ

しあわせ / 札幌市西区琴似1条4丁目丹羽ビル1F(栄通から1本裏) TEL: 011-614-4666
分類: 寿司屋

お寿司が好きで好きで好きで… 宮崎吐夢の歌ではありませんが、「毎日寿司でもかまわなーい」のです。若くて貧乏していたころでも、給料が入ったらご近所のお寿司屋さんに行って一番安い握りのセットを頼んで、追加でイカを注文するというのがささやかな楽しみでした。また、お金に余裕ができると、おいしいと言われるお店に出かけたものです。

そんな私の札幌お寿司屋さんランキング1位は「しあわせ」です。カウンターのみのお店で、食べるスピードに合わせて、ていねいに1カンずつ握って出してくれます。ガラスケースはなく、握る都度に冷蔵庫から出してネタを切ります。と書くと高そうですが、とても良心的なお値段なのです。この値段でこんなにおいしいお寿司が食べられるなんて、「あぁ、シアワセ…」とつぶやきたくなりますが、あまりにもベタなので心の中だけで我慢します。

この「しあわせ」は「ありがとう」(札幌市西区二十四軒4条4-13-2 広田ビル1F / TEL: 011-611-3456)の元店長さんが独立して開いたお店です。「ありがとう」も同じ形式のお店で甲乙つけがたいのですが、「トロたく」がある、という理由だけでも「しあわせ」が1位です。「トロたく」は中トロとたくあんが入った巻物で、とろり、カリカリという触感がたまらず、昇天してしまいます。

予算: 4,000円- (握りのセットは千円台からあります)

2005/09/01

すすきの - トラットリア・ズッカ

トラットリアズッカ / 札幌市中央区南2条西7丁目 M'sスペース 2F TEL: 011-281-8666

分類: イタリアン

ズッカのことは以前にも書いたけど、何度でも書く!

昨日は、用事があったので仕事を早く切り上げました。用事が終わっても18時少し前。こんな早い時間に街なかにいるなんてうれしい。というわけで、開店直後のズッカへ行くことにしました。

ズッカに来るのは3週間ぶりくらいなので、メニューを見て迷う迷う。結果的に、アジのマリネ、さんまと松の実とショウガのスパゲティ、自家製ベーコンのカルボナーラ、ミラノ風カツレツを2人でオーダーしました。我ながらバランス悪いと思いましたが、2人がおのおの食べたいものを選んだらそうなってしまいました。

シェフにワインをおまかせすると、頼む料理に合わせて数本チョイスして、詳しくどんなワインかを解説してくれます。変な組み合わせで料理を頼んだので、シェフもいろいろ悩んで、白ワインを4本(うちスペインのスパークリングが1本)、軽めの赤ワインを2本選びました。シェフの解説を聞くと、いつものことですが、「えぇーい、全部開けて持ってきてくんな」という気分になります。悩みに悩んで結果的にスペインのスパークリングワインを選択。なくなったらグラスで赤ワインを頼もうということで。

  1. アジのマリネ
    ぷりぷりしたアジ、ピーマン、玉ねぎ、セロリ、ミョウガなどいろいろな食材が入り、酸味も塩味もあっさりしているのに、素材の組み合わせのせいか、しっかり味を感じます。連れはセロリやミョウガなど香りがきつめの野菜は苦手なのですが、「うまいうまい」を連発。辛口のスパークリングワインも合って最高です。
  2. さんまと松の実とショウガのスパゲティ
    なんじゃこれ、ぅぅぅぅぅぅぅぅううううううううまーーーーーい!!!

    青魚系を使ったパスタって、魚の脂をどうするのかで難しいですよね。このスパゲティは素薔薇しすぎる。ともすれば生臭くなりがちな青魚の脂が、松の実とショウガでうま味たっぷりに。ショウガはそんなに入ってなさそうなのに、不思議だなぁ。あっという間に食べ終わり、正直なところおかわりがほしい気分。
  3. 自家製ベーコンのカルボナーラ
    カルボナーラ… 自分で作ると、卵に熱が入りすぎてもろもろになってしまったりして、なかなかうまくいきません。そんな料理だからこそ、おいしいところで食べたい!

    あー、やっぱりんまーい。なめらかでねっとりしたソースに、香ばしいベーコンがポイントになって、飽きません。
  4. ミラノ風カツレツ
    ちょうどここでワインが切れ、グラスワインを頼みました。重めのワインが好きなこと覚えていてくださって、アリアニコ100%のワインが運ばれてきました。小さなお店なのに、味の異なるグラスワインを数種用意しているってすごいなぁ。

    ミラノ風カツレツは、叩いた牛肉に細かいパン粉を付けて、油を回しかけながら火を通す料理です。一度、本場ミラノで食べたことがあるのですが、ツアーで行ったということもあり、冷めてて固くて正直おいしくなかった… というわけで、リベンジのオーダーなのです。

    肉が軟らかーい。しかも噛むとジュッと肉汁が出て、赤ワインと合うことこの上なしです。付け合わせの葉野菜があるので、重さを感じません。
お会計は1人5,000円くらい。
明日も来ちゃおうかなぁ…という大満足の1日でした。

予算: 3500円-